一戸建てを買うとき、意外と見落としがちなのが「となり」のチェックです。
家を買うときは、土地の広さや間取りなど家そのもののことばかりが気になりますが、その場所に長く住むのであればとなりのチェックは重要項目です。
一戸建てを買う前に、となりについて特にチェックしておきたいポイントを3つご紹介します!
最初にチェックしておきたいのは、となりに住んでいる人がどういう人なのかです。
一戸建てに住んでいる方から多く聞くのが、隣人とのトラブル。
隣人トラブルと聞いて、「騒音おばさん」や「ゴミ屋敷」などの報道が、思い浮かぶ方もいらっしゃると思います。
さすがにそこまで酷いケースは滅多にあることではありませんし、またその場合は不動産会社から説明があるはずです。
隣人とのトラブルは、もっと日常的なことから発展するケースがほとんど。
どういったトラブルが考えられるのか見てみましょう。
隣人とのトラブルで、多く聞かれるのは騒音に関することです。
たとえば隣人がピアノを持っていて、昼夜窓を開けっ放しでピアノを弾くためうるさくてたまらず、こちらは窓を閉めっぱなしにするしかないなど。
または隣人の帰りが毎晩遅く、深夜に車のエンジン音や、車庫を開け閉めするシャッターの音が気になって眠れないケースも。
他には毎週末お庭でバーベキューをするため煙がすごかったり、ヘビースモーカーのためタバコの煙が家まで流れてきたりするなど、空間環境に関するトラブルも考えられます。
許容できる範囲は人それぞれですが、少なくとも隣人の家族構成やどういった生活をしているのか、わかる範囲で事前に確かめておくと安心です。
隣人のことは、売主がよくご存知のはずなので、売主に直接お聞きしたいところです。
しかしもし売主が、隣人とのトラブルがあり売却を考えているのであれば、今後のやりとりが気まずくなってしまうことも。
売主に直接確認したいところですが、まずは仲介をお願いしている不動産会社を通して確認するようにしましょう。
近くに商店があるようでしたら、そちらでさりげなくトラブルの有無を聞いてみるのもいいアイデアです。
また実際に現地に足を運んだとき、隣人とお話しする機会があるようでしたら、積極的に声をかけてみましょう。
どういった人が隣人となる可能性があるのか、気にしているのはおとなりも同じはずです。
事前に顔を合わせておくのは、お互いにとって有益です。
次にチェックしておきたいのは、隣家との距離と境界を越えているものがないかとの点。
となりがどういった人かを事前に調べるのは大変ですが、隣家との距離や境界を越えているものがないかどうかは、実際に現地で目視にてチェックできることです。
購入後にとなりとトラブルとならないためにも、買う前にチェックしましょう。
買うことを検討している一戸建てと隣家との距離が近すぎると、風通しや日当たりが悪い可能性があります。
風通しや日当たりが悪いと、いつも窓を締め切ってエアコンをかけっぱなしにしないといけない…といったことも考えられます。
また距離によっては、日常の生活音が気になる場合もあるでしょう。
相手の生活音だけではなく、自分たちが出す生活音にも気を遣いながら生活するのはなかなか大変で疲れます。
おとなりとの距離が近いと、万一火事が発生した場合にも問題です。
風向きによっては、互いに延焼してしまう可能性があるからです。
一戸建てを買う前に、隣家との適切な距離があるか、事前にチェックするようにしましょう。
家を建てるときは、境界線から50cm以上の距離を保たなければならないと民法で定められています。
しかしこれは壁からの距離のことであるため、屋根やひさしが境界をこえてしまっているケースは少なくありません。
屋根やひさしが境界をこえてしまっていると、たとえば大雨が降ったときなど、雨水が自分の敷地や相手の敷地に流れ込むことに。
近年の温暖化で、集中豪雨がたびたび発生しています。
大雨のたびに、隣家から流れ込む雨水の心配までしなければならないのは考えものです。
屋根やひさしが互いに境界をこえていないかどうかは、特に注意してください。
また隣人の庭木が枝を長くのばして、境界をこえているのもよくあるトラブル。
落葉する種類の木であれば落ち葉の掃除が大変です。
自分の敷地内だからと勝手に枝を切ったりしたら、それがまたトラブルを引き起こす可能性も。
一戸建てを買うとき、境界越えがないかを目視し、もし境界問題が確認できた場合は不動産会社に詳細を確認するようにしましょう。
買うことを検討している一戸建てのとなりが空き地である場合、風通しも日当たりもいい場合がほとんどです。
しかし空き地であるなら、今後そこに家が建つ可能性があります。
またとなりの家が、かなり古い場合は近いうちに新しい家に建て替えることも考えられます。
風通しも日当たりもいい!と思って一戸建てを購入したのに、あとからとなりに大きなマンションが建って、ほとんど日が当たらなくなった…となると悲しいです。
買うことを検討している一戸建てのとなりが空き地の場合には、不動産会社に地主がどんな方なのか、今後どのくらいの高さの建築物が建つ可能性があるのかチェックしてみましょう。
今後どういった土地利用をするのかは、購入する時点ではわからないケースが多いと思います。
その場合でも、将来どんな高さの建物が建つ可能性があるのかは、事前にチェックすることは可能です。
その鍵となるのが、建ぺい率と容積率。
建ぺい率とは、土地の面積に対して建物を建てることができる割合、容積率とは建物延床面積割合のこと。
建ぺい率と容積率は、用途地域ごとに細かく指定されていて、その土地がある市町村の都市計画課などでチェックが可能です。
たとえば建ぺい率が50%、容積率が200%の100坪の土地に家を建てるとします。
その場合、建築面積は100坪×50%の50坪、延床面積は100坪×200%の200坪が上限となります。
建築面積を上限の50%で家を建てるのであれば、200坪÷50坪で、4階までの高さの家を建てることが可能です。
実際は高さ制限などがあり、建ぺい率や容積率の目いっぱいまで家を建てられるとは限りませんが、一つの目安になります。
購入を考えている一戸建てのとなりが空き地の場合は、どんな高さの建物が建つ可能性があるのか知るために、建ぺい率と容積率を事前にチェックしておきましょう。
一戸建てを買うときは、建物の築年数や不具合がないかが気になります。
ついつい物件そのものだけに注視してしまいますが、となりに住む人がどんな人なのかも事前に調べておきたい重要事項です。
住んでみないとわからないことが多いですが、隣家との距離や境界に問題が発生していないかなど、事前に自分の目で確かめられることも多々あります。
一戸建てを購入してしまったあとで隣人とトラブルが発生しても、どうすることもできません。
買う前に不動産会社に確認することはもちろん、自分でもできる範囲で、となりに住むこととなるご家族や、隣接する土地についてチェックするようにしてください!